今から18年くらい前。当時、日本酒を買っていた川口の酒屋さんで、「荒木さんのところでは、日本酒を出しているけど“焼酎”には興味はないか?」と聞かれた。その時に「いや~焼酎には興味ないな~!」(笑)とお答えしたところ、「ちょっと、この焼酎を飲んでみて欲しい!」とご紹介いただいたのが「富乃宝山」と「吉兆宝山」。酒屋さんが「いまこの焼酎がものすごく人気があって、評判が良い!」と奨めてくれ、まず「吉兆宝山」「富乃宝山」という名前(ネーミング)が素晴らしいな!と思った。それで飲んでみたら、焼酎なんだけど、ぜんぜん(それまでの)焼酎っぽくない!甘味や香りとか。酒屋さんが「造り方をまったく変えて造った焼酎だ!」と奨めてくれた通りの印象。以来、「宝山」を愛用させてもらっている。
オーナー
荒木 水都弘 様
荒木 水都弘さんのご紹介
<プロフィール>
- THE ARAKI オーナー
- 1966年、福岡県生まれ。
宝山、そして西陽一郎との出会い
「宝山」との出会い
「西陽一郎」との出会い
西陽一郎さんとの最初の出会いは、銀座のお店で2年くらい前かな。クリクリっとした目がとても印象的だった。こんな人が宝山を造っているんだ!って、ビックリした。何より品が良いと思った。(失礼ながら)鹿児島の方には見えなかった。
西さんが、お店に入られて来て、ニコって笑って頭を下げられた瞬間に、「これはやられたな~」って思った。そういう気持ちにさせてくれる、お客様ってたまにいらっしゃるんだけど、お店に入ってきた瞬間に、お鮨を提供する僕らや、お店の雰囲気そのものをスッと自分のものとしてお腹の中に取り込んでしまう方。ひと言で言うと影がない。だから西さんの周りには人が集まるんだと思う。
荒木さんと西陽一郎対談 鮨職人と杜氏。それぞれ“ものづくり”
<荒木さん>
僕は鮨を造ることが仕事。僕にとって鮨ってなんだろう?僕が造った鮨の味って、どれだけの人を惹きつけることが出来るんだろう?その限界ってどこにあるだろう?常にそんな事を考えながら鮨を造っている。それに対して大事なことは、まず鮨を造っている自分たちが幸せであること。造っている人間が幸せで無かったら、お客様はもっと幸せでなくなってしまうのではないか?と考えている。ただ、自分達と同じようにお客様に幸せって感じていただくためには、常に自分を磨き続ける必要があると思う。自分を磨くために必要なことは「世の中で最高!」って思えるもの、それは食べ物でも芸術でも、自分が最高だって思えるものに常に触れ続けていることがまず重要だと思う。それが無いと自分を磨くって難しいと思う。
<西陽一郎>
僕らにも(お鮨と同じように)、ベースにあるお酒の造り方/焼酎の造り方というものがあるけど、焼酎よりも歴史が長いウィスキーやワインなんかと比べて見ると、色んなところに違いが見えてくる。その中で、それぞれのものづくりの良いところを取り入れて焼酎造りをしたいと考えている。僕らはお客様のことを考えてものづくりをする必要があるし、「これで良い!」と思ったものづくりって、自分達がつまらない。自分達の自己満足ではなく、良い意味での変化。お客様と一緒に変化をして行きたいし、お客様に感動をしてもらうために、自分達が変わって行きたいと考えている。
荒木さんがロンドンで店を出されたってお話を聞いた時に、食材は日本から持ってきているのか?と思ったけど、イギリスの人に美味しいって感じてもらうために、ぜんぶこちらの食材でやっているってお話を聞いて、しかもそれが本当に美味しくてとても感動した。「さすが荒木さん、こっちでもやってるな~!」って(笑)。職人としての技の研鑽と挑戦、それをしっかりとこちらでも続けている心意気に安心した!(笑)。
<荒木さん>
お魚をぜんぶ日本から持ってきて、こちらの人に食べてもらう!それはそれでやることにもちろん意義があると思うけど、僕が求めているものはそこにはない。やっぱりこちらの国の方に召し上がっていただくためには、ちゃんとこちらの食材を使って、自分が今まで教えてもらった鮨の中で、何ができるか?それがチャレンジだと思っている。本当に素晴らしい料理人ってのは、場所が変わって、食材が変わってもそれでちゃんと美味しい料理ができるんじゃないかって考えている。あの素材じゃないからこの味が出ない!ではない。無いことに対して不満を言うのではなく、あるものに対して、どれだけ敬意を払って美味しいものを造れるか!?が、1年後・10年後の自分を成長させるのだと思う。やっぱり日本人は「ものづくり」に対して素晴らしい!
以降も、“ものづくり”に対する二人の熱い談議が続きます。
ご興味をお持ちいただけましたら、是非こちらよりご覧ください。
西酒造 公式Youtubeチャンネル