蔵人日記

蔵人から皆様へのメッセージ

2017.04
2017.04

2017年3月20日 【農業の匠】 芋農家 尾曲 幸良さん:前編

当たり前のことですが、宝山は、その原料となるお芋やお米が無ければ造ることができません。私たちには、“100%鹿児島県産の原料”にこだわる焼酎造りを、いっしょになって支えて下さっている農家の皆さまがいらっしゃいます。(人´∇`)
それは単に、お芋やお米を届けてくれるだけのお付き合いではなく、宝山にとって最高の原料を育てるための研究を日々重ね、また「こんなお芋を使ったらどうか?」「こんな麹米は宝山に適しているのではないか?」と、ご提案までしてくださる“農業の匠”な方々です。

お芋の苗付け・お米の苗植えを行うこの季節。そんな匠達と「屋根のない蔵」での仕込みが始まっています。今日ご紹介するのは、薩摩半島の南端にある開聞岳からほど近い、南九州市頴娃町で芋農家を営む、芋作りの匠:尾曲 幸良(おまがり ゆきら)さんです。「私は人の時間ではなく、お芋の時間で生きる!」と語る匠のメッセージを、皆さまもぜひご覧ください。(*´∀`)

 

 

□芋農家:尾曲 幸良さん (前編)
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私が親父の後を継ぎ、芋作りを始めたのが昭和63年の春ですから、今年で約30年になります。当時はまだ西酒造さんとのお付き合いはなく、別の蔵にお芋を納めていましたが、その頃から

・自分達が作ったお芋がどのように仕込まれて?
・どんな個性の焼酎になって?
そして
・どんなお客さまに、どんな風に飲まれているのか?

それを知らなければ、本当の意味で焼酎に適したお芋作りは出来ないと考えていました。そんなことを想い、いろんな蔵の方のお話を聞いているうちに、西 陽一郎社長と知り合いました。
西さんは、「お芋の個性を徹底的に引き出す焼酎を造りたい!だれも使ったことがない品種のお芋で、最高の焼酎を造りたい!」と意気込みを話してくれ、私もその瞬間に「これだ!」と思い、そこから西さんとタッグで、お芋の美味さ・焼酎の美味さの可能性を掘り下げる研究が始まったことを覚えています。

仮説を立てて、試してみて、結果を振り返ってまた造る。西さんは成果が出るまで、何度もその挑戦を続けてくれました。私が作っているお芋の品種は「黄金千貫」と「綾紫」「紅東」「白豊」の4種類(※それに最近「紅はるか」という品種を追加)ですが、宝山の限定銘柄「蒸撰シリーズ(綾紫・紅東・白豊)」は、そんな挑戦から生まれた銘柄です。

当時、どの蔵も使ったことが無いお芋の品種で、新たな芋焼酎が生まれた瞬間でした。その瞬間に立ち会えたことは、お芋を育て、収穫すること以上の喜びを私に感じさせてくれました。
私たちが魂を込めて育てたお芋の可能性を西さんが掘り下げてくれる。だから私もさらに高品質なお芋を育てて、最高の状態で届けることにこだわる。

お芋の作り手と焼酎の造り手の最高の関係だと思いますし、そこに120%のやり甲斐を感じています。これからも西酒造さんと共に、無限にひろがるお芋の可能性を追求して行きたいと思います。それが、私の生き甲斐です!
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尾曲さん、ありがとうございました。
次回「後編」は、尾曲さんの「土作り・お芋作り」のお話と、
意外なご経歴についてご紹介します。